令和3年度 地域ケア会議推進リーダー研修・介護予防推進リーダー研修に参加しました!
研修会に参加しました
お久しぶりです、貝塚市にじいろ訪問看護ステーション作業療法士の松尾です。
突然ですが、皆さんは地域ケア会議・介護予防推進リーダーという言葉をご存知でしょうか?私自身、先輩セラピストや勉強会で教わったことはありましたが、具体的なシステムや運用方法など曖昧な部分が多い状況でした。今回、1月と2月に3士会合同で開催された、地域ケア会議推進リーダー研修/介護予防推進リーダー研修会に参加し、高齢化社会が進む日本で作業療法士としての役割を考える機会になったので報告したいと思います。
地域包括ケアシステムについて
まずは、地域包括ケアシステムについて説明します。まず、日本は諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行しており、65歳以上の人口は3,500万人を超え、2042年の約3,900万人でピークを迎えますが、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されています。 このような状況の中、団塊の世代が75歳以上となる2025年(令和7年)以降は、国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれています。 このため、厚生労働省では2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の状況に合わせて包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進していくという流れで生まれた考えが、地域包括ケアシステムになります。
地域ケア会議について
上記で説明した地域包括ケアシステムを構築するためには、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく手法になっています。地域ケア会議では、地域包括ケアセンター等により個別ケースを検討する場が提供され、地域の場で他職種間の連携を促進することが出来ます。サービス担当者会議と類似するように感じますが、主催者(ケアマネージャーでなく、市町村が主催)や参加者(自治体職員、包括職員、ケアマネ ジャー、介護事業者、民生委員、 OT、PT、ST、医師、歯科医師、 薬剤師、看護師、管理栄養士、歯科 衛生士その他必要に応じて参加 。直接サービス提供に当たらない専門職種も参加)の違いがあり、①地域支援ネットワークの構築 ②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援 ③地域課題の把握を行っています。また、地域ケア会議を重ねていくことで、地域課題の発見や把握に繋がり、それらを共有し対策することで、地域ケアシステムを構築していく大切な役割も担っています。ちなみに、貝塚市にも地域包括支援センターが3カ所設置されています。
介護予防について
続いて、介護予防について簡単に説明します。前述した通り、日本は少子高齢化社会による問題により、医療費の圧迫に加え財源確保の問題も併発しています。介護予防という言葉の定義を調べてみると「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と記載されています。この言葉を聞くと、「健康であるためには自身での努力が必要だ」と私は連想しました。しかし、現状日本の介護サービスは諸外国と比べても手厚い部分が多く、一から十まで介護職員が手を差し伸べることが当たり前になり、主体的に行動する人が少ないと感じました。諸外国の介護職員を見てみると、「セルフヘルプ」➡「自助努力を助ける」がベースにあり、要介護者が主体となっていることが多いようです。これらからも、「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションそのほかの適切な保健医療サービスを利用することにより、そのゆする能力の維持向上に努めるものとする」が大切になってくると考えます(介護保険法第4条)。
研修会を通して感じたこと
今回の研修会を通し、地域で暮らす利用者の生活状況や問題点を把握し、その人らしく生活できるような環境調整や多職種との連携を意識したいと考えます。また、利用者個人の問題だけではなく、その人を取り巻く地域の問題にも目を向け検討できる作業療法士に成長していきたいと感じました。