作業療法士とは？/貝塚市 にじいろ訪問看護ステーション
作業療法士という仕事について
はじめまして、「貝塚市にじいろ訪問看護ステーション」作業療法士の松尾です。前回のブログでもご紹介いただきましたが、約6年間の病院勤務を経て、この2月より「にじいろ訪問看護ステーション」の作業療法士として在籍することになりました。作業療法の魅力を皆さんに伝えれるよう、不慣れではありますがブログを更新していければと思います。今回は、「作業療法士」について紹介したいと思います。よろしくお願いします。
作業療法士とは？
作業療法士（Occupational Therapist ：OT）は、「人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」と、2018年（改訂版）に日本作業療法士協会が定義しています。
作業とは？
作業とは、「日常生活、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など」人の日常生活動作に関わる全ての活動を作業と捉えます。また、作業を行うのに必要な心身の活動も含まれます。
対象疾患は？
リハビリテーションを提供させていただく主な疾患は、「身体に障害をもつ人（脳卒中、神経変性疾患、リウマチ、脊髄損傷、末梢神経損傷、手足の切断、骨折・外傷、心臓疾患、加齢による身体機能低下など）」「心に障害をもつ人（認知症、うつ病、アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害など）」「発達期に障害をうけた子どもたち（脳性麻痺、先天性異常、精神発達遅滞、学習障害、自閉症スペクトラム症など）」と、医師の指示のもとにリハビリテーションを実施します。
他のリハビリ職と何が違うの？
病院勤務をしている時に患者さんから、「言語聴覚士の先生は、話したり食べたりする練習をしてくれる先生とすぐに分かるけど…。理学療法士の先生と作業療法士の先生は何が違うの？」と質問されることがありました。理学療法士と作業療法士の違いって、一般の方にはわかりにくいかもしれません。 簡単に説明すると、理学療法士は「立つ、歩く、座るなど、日常における基本的な動作を獲得するためのリハビリテーション」を行います。一方で作業療法士は、理学療法士同様に基本的な動作の練習も行いますが、「食事、入浴、着替え、趣味活動などの応用的な活動に対するリハビリテーション」を行う機会が多いです。また、「精神疾患患者様へのリハビリテーション」に携わる機会も多い印象があります。 ただ、上記で説明した内容はあくまでも一般的な見かたとなっており、「作業療法士なので歩くリハビリテーションはしません！」「理学療法士なので精神疾患患者様へのリハビリテーションはしません！」などはなく、対象者様の日常生活を豊かにするため、「役割分担」をしながら同じ目標に向けリハビリテーションを行っています。
リハビリテーションの紹介です
「旦那様のために手料理を作る！」
先日、私が関わらせていただいているご利用者様と、「餃子作り」をリハビリテーションの中で実施しました。「料理活動」を実施するまでには、「手先の器用さはどの程度維持されているかな？」「料理をするための手順は理解しているかな？」「調理中、台所でずっと立っていれるかな？」「自立で料理が可能か…難しければ少し手伝うか」など、「料理」を行うために必要な身体・精神機能面や作業工程を専門的に評価し、リハビリテーションとして導入しました。
実際、セラピストが助言や補助する場面もありましたが、無事に餃子を作ることができました。久しぶりに奥様の手料理を食べられ、旦那様もすごく喜んでくれました。また、「少し焦げてしまったな」と本人様は話されていましたが、ご自身で作られた餃子をおいしそうに食べられている姿をみて、「料理」をしてよかったなと思いました。
最後になりますが、作業療法士は、その人にとっての作業がどのような価値を持っているのかを考え、「作業=活動」を行うために必要な能力や方法を考えリハビリテーションを行います。私はよく、「この人にとっての生きがいってなんだろう？」と考えることがあります。私たちにも、生きていく中で大切にしている「作業=活動」があるかと思いますが、突然それが失われたときに私たちはどうなってしまうでしょうか？
私は、ご利用者様が失ってしまった「その人らしい生活」を再獲得できるよう、「人生観や生きがい」を尊重した作業療法をこれからも提供し続けたいと考えています。ご利用者様やご家族の生活が少しでも豊かになるよう、スタッフ一同協力していきたいと思います。
貝塚市 にじいろ訪問看護ステーション 作業療法士/松尾
