在宅で看取る家族の想い
◎出会い
N様、80歳、男性。妻と同居。
病状回復に向けて、入院治療を受けておられたが、認知症発症により夜間せん妄などが出現し、点滴自己抜去や不穏、ベッドからの転倒などを再三認めるようになり、ご家族に呼び出しの連絡が頻回に入り、付き添われる状況でした。治療効果がこれ以上は望めないと判断されたことをきっかけに、本人の『自宅で過ごしたい』」との思いを尊重し、積極的な治療(延命も)を希望せず、退院となり自宅での生活が始まりました。
妻・娘様、孫様は何度も何度も話合われ、結論に至るまでにそれぞれの思いが交錯し、意見がぶつかることもあったようです。
訪問看護として、健康管理、状態把握、入浴介助、保清、ご家族への介護手技の指導や精神面でのサポート等の目的で、1日2回の介入が開始。
訪問リハビリとして、身体機能の低下予防と維持、呼吸リハビリ、リラクゼーション、ご家族への指導等を目的に、2回/週の介入が開始となりました。
実際の生活
娘たち・孫たちの協力のもと、在宅での生活が開始されました。
状態把握のため、家族さまに記録をつけていただきました。(体温や血圧、食事メニュー・量、飲水量、排尿・排便回数や量、性状、睡眠状況、気になること等々)記載いただき、訪問時に分析・評価し、アドバイスや助言をさせていただき、本人様にとって最適な状況を提供できるように、時には往診医と連携を取り、指示を受けながら、看護・リハビリを提供していきました。
家族さまも、体調が良い日には車椅子で散歩や買い物、散髪に連れ出され、気分転換を図ってくださいました。食べることが好きな方なので食事提供に気を配られ、孫様たちも度々面会に訪れ、本人さまも住み慣れた自宅での生活に大変喜ばれていました。
しかし徐々に容態が変化され、その変化に家族様が戸惑い、不安が見られました。主治医との連携のもと、点滴や酸素療法・疼痛コントロール等が開始となりました。入院中は何度も何度も点滴の針を抜いていた方だったようですが、自宅で家族様の見守りや声掛け、点滴刺入位置の工夫などを凝らす、また食事メニューを希望するものを提供するなど工夫したことで、点滴を抜かずに、不穏になることが極端に減り、治療を受けていただくことが出来たのです。
本人さまが納得した場所で、納得した治療方針であれば、穏やかに治療を受けていただけるのだと実感しました。また大好きな自宅で過ごすことにこだわり、その想いを叶えたいとの家族様の協力があったからこその生活であると感じました。
家族の想い
看護師・訓練士として、共に連携を図りながら、指示のもと医療行為の実施と家族様への指導はもちろん、欠かせないのが本人・家族様の精神的サポートです。
本人・家族様の想いを十分に傾聴し、労をねぎらい、一緒に悩み、考え、本人さまにとって最善の方法は?をいつも中心の置き、支援させていただいてきました。
家族の皆様はそれぞれの家庭と仕事との両輪での介護生活です。心身共に疲労が蓄積されていました。自身の健康管理もおろそかになりがちです。介護される方はもちろん、介護する方も健康でなければなりません。家族様の健康管理・メンタルサポートにも一緒に考え、助言していくことを心がけました。本人様はもちろん、家族様との信頼関係を築くことで、色々な思いを話して下さり、一緒に支援を考え、同じ方向を向き、関わっていくことができたと感じています。献身的な介護のもと、家族の皆様に見守られ、半年程の自宅生活を過ごされ、眠るように最期を迎えられました。
家族様より、にじいろのスタッフの皆さんや往診医の先生方に関わっていただき、本当に良かったです。十分やりきりました。悔いはありません。と仰っていただきました。
ご本人様を亡くされた悲しみはすぐにはぬぐえるものではありません。しかし、一生懸命献身的に介護され、最期を納得する形で迎えられたことで、前を向く力にしていただけるのではないかと感じました。
このご家庭から学ばせていただいたことを糧に、今後も在宅支援を一緒に考え、提供していきたいと思っております。
貝塚市 にじいろ訪問看護ステーション まで、まずはご連絡、ご相談ください。
貝塚市、岸和田市、泉佐野市、泉南市、熊取町、田尻町、忠岡町の訪問を行っております。