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人間作業モデルについて考える

作業療法士のブログ

 にじいろ訪問看護ステーション作業療法士の松尾です。今回のブログは、臨床でも意識して利用している‘人間作業モデル‘といった言葉について簡単にお話します

人間作業モデルの定義について

 人間作業モデル(MOHO:Model of Human Occupation)は、Mary Reiyが開発した理論になります。「意志・習慣・遂行能力・環境」の側面から作業や対象者を分析し、治療を円滑に進めるツールになっています。対象者が作業を遂行できなくなった際、「対象者にとっての作業がどのような意味を持つのか」を解釈するためにも必要になると考えます

意志の概念と構成要素

【概念】
 意志:意志は感情であり、作業に対する動機になります
【構成要素】
 Ⅰ.個人的原因帰属「できる」「うまくできる」という認識 Ⅱ.個人が生活を営む上での「信念・確信・信条」といった価値観  Ⅲ.「楽しい、嬉しい」など、対象者にとって意味のある作業を提供できるよう刺激する必要があります 

習慣の概念と構成要素

【概念】
 習慣:普段通りに物事(日常生活・趣味・業務)を遂行すること
【構成要素】
 Ⅰ.時間:月日や時間の区切りに合わせ、日常生活のパターンが形成されます。 Ⅱ.物理的環境:日常生活を営む上で、大きく変化せずに一定にあるもの(家・道・服・食べ物など) 

遂行能力の構成要素

【構成要素】
 主観的構成要素:対象者が自己の機能をどう捉えているか
 客観的構成要素:身体機能と精神機能のことを指し、個人に備わっている特性と考えます

環境の概念と構成要素

【概念】
 環境:何かを行うときの文脈や状況であり、物理的環境と社会的環境に大別されています
【構成要素】
 物理的環境:空間や対象物が含まれ、自然のものと人工のものに分けられます
 社会的環境:属している社会集団での環境や空間

MOHOの思考を考えよう

 例えば、自宅に引きこもりがちなAさんが居るとしましょう。リハビリの希望を尋ねますが、「特になにもしたくない」と何をするにも消極的です。そこで、「興味や価値」を確認するためにAさんに生活史を聴取します。結果、「昔は畑仕事をしていて、今でも野菜を育てたい」「作った野菜で料理を作るのが私の仕事でした」など、語りが聞けたとします。ここで、家族から情報を聴取できる際は確認してみると良いでしょう。家族さんに協力していただけるなら、「野菜を使った料理を食べたい」など、Aさんが「野菜作り」に価値を見出せるような声掛けなど、お手伝いしていただけるように働きかけてみるのも良いです。
 Aさんが作業に従事できるように環境を整え、屋外にでることを拒まれる際はリハビリとしてプランターなどで野菜を育ててみてはどうでしょうか。Aさんの興味が広がるように関係を築き、協業しながら生産的な活動に価値を見出すことができると、「先生、この野菜を作って料理をしてみようかしら。子供達にも食べさせてあげたい」など、作業を継続する動機に繋がる方も多い印象です。
 上記はあくまで上手くいった流れですので、失敗することや「作業」に対して価値を見出せない場合も多くありません。その際は、Aさんにとって必要なものはなにか?関わり方に工夫はできないのか?考え直してみると良いかと思います(私も毎日試行錯誤しています)。

 人間作業モデルの考え方に出会ったのは、作業療法士になって臨床2年目の時でした。「人にとって価値ある作業を考え、再獲得するために支援できるって素敵だな」と感動したのを覚えています。私自身、臨床で応用するにはまだまだ知識不足な部分もありますが、訪問リハビリを通じて利用者様が毎日をいきいき過ごせるよう、精進していきたいと思います。

貝塚市のにじいろ訪問看護ステーションでは看護師の求人、採用、募集を行っています。リハビリの求人はもちろん看護師の求人をしていますので、在宅での生活を訪問看護を通して支えていきましょう。貝塚市、岸和田市、泉佐野市、熊取町など訪問しています。採用情報はお問合せください。

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